家が古いと感じると、新築に建て替えるかリフォームをするか、どちらがよいか考えることでしょう。どちらも家を新しくするという点では同じですが、費用面や自由度の観点から見ると全く違うものです。一概に「こっちのほうがよい」と言えるものではなく、理想や環境によって向いている方法は変わってきます。
こちらでは、建て替えとリフォームそれぞれのメリット・デメリットをご紹介します。
建て替えのメリット
新築建て替えは、一から建設ができます。リフォームの場合だと「耐震上の関係でここの壁は壊せない」「間取りを思いっきり変更するのは厳しい」などといった制約が邪魔になることもしばしばです。
新築であれば、窓の位置や間取りもある程度自由にできるため、理想の住まいづくりができます。さらに、耐震性も現在の基準になるため、「古い家だと地震が怖い」といった不安も解消できるでしょう。
断熱性能やバリアフリー、創エネ、省エネ設備の設置も既存の住宅にとらわれることなく設計できます。ソーラーパネルを設置する場合、屋根の傾斜や向きも発電量を最大に設計可能です。
建て替えのデメリット
建て替えは既存の住宅を壊すため、解体費・処分費がかかります。さらに工事期間中は仮住まいのことも考えなくてはいけません。
また、もとの家を建てた時点と現在で、条例や法律が変化していることもあります。場合によっては、「再建築不可」となる可能性も否めません。新しい基準に合わせた結果、前より小さい家になってしまうパターンもあるため要注意です。
「建て替えたい」と思ったら、まず立地の状況を確認しましょう。わからないときは、業者に相談して調査してもらうのがおすすめです。
リフォームのメリット
リフォームは、家を壊さずに改善できるのが一番のメリットです。生活していて気になる部分だけ変えられるので、思い入れのある家をそのまま残せます。
寒さが気になるのであれば、外壁はそのままで断熱材を導入することも可能です。また、増築も10平方メートル以内なら申請不要でできます。(※例外あり)
もちろん、バリアフリー化や創エネ、省エネ設備の設置も可能です。
また、建て替えの場合は3~8ヶ月の施工期間が必要ですが、リフォームなら1~5ヶ月で施工が完了します。場合によっては、仮住まいへ住む必要もなく心理的なストレスもかかりにくいです。
リフォームのデメリット
建て替えと比較すると、リフォームは自由度が低い点がデメリットです。住宅建築には「在来工法」と「2×4工法」があります。在来工法で建てられた家なら比較的簡単に間取りが変更できますが、2×4工法が用いられていると難しいです。もちろんリフォーム不可というわけではなく、構造上多少リフォームの幅に制限があるというだけですので、まずは業者へ相談することをおすすめいたします。
また、建て替えより安く済みそうなリフォームですが、「いざ家を解体したら木材が腐っていた」「工期を伸ばす必要がある」などのトラブルが起き、費用がかさむケースも少なくありません。まずは家の状態を診断してもらうことをおすすめします。
1981年以前に建てられた家をリフォームする場合は、耐震性に注意が必要です。耐震基準は1981年と2000年に改正されており、古い家は補強工事が必要になることがあります。もちろん追加工事だと費用もかさんでしまいます。「建て替えより安そうだからリフォームにしよう」と思っている方は要注意です。